
多くの買い手は、ショールームでの最初の10分間に、感覚で支払い方法を決めてしまいます。「金利ゼロ」と聞けば分割現金へ、「頭金20パーセント」と聞けば銀行ローンへ。そしてその10分間の代償を、その後15年間払い続けることになります。同じ物件でも、選んだ方法によって総支払額は変わります。そしてその差は、契約する前に計算できます。
同じ物件が3通りに提示される仕組み。
アルヴェオは物件価格を一度決め、それを3通りの形で提示します。一括現金は、予約から短期間で正味契約価格の全額を決済するもので、割引が最も大きくなります。分割現金は、契約価格の全額を建設期間にわたって毎月均等に支払う方式で、貸し手は介在せず、開発業者が利息を課すこともありません。割引はありますが一括現金より小さくなります。ローンは、建設期間中に支払う自己資金部分と、引渡し時にPag-IBIGまたは銀行から実行される残額に分かれ、貸し手により10年から30年で返済します。価格は定価に近いのが通常です。各方式の割引率は物件ごと、価格表の版ごとに設定され、変動します。一律の数字を提示する相手は推測で話しています。同一物件、同一日付、書面で3通りの計算書を請求してください。各方式の仕組みはアルヴェオ支払い方式の解説にまとめています。
議論を終わらせる唯一の数字。
完全な所有権に至るまでの総支払額です。月々の返済額でも、表示された割引率でも、頭金の比率でもありません。構成要素は4つ。方式ごとの割引後の正味契約価格、資金調達コストの総額、方式ごとに異なる一時費用、そして必要より早く手放した資金の機会費用です。多くの買い手は最初の要素だけを比較して終わります。販売資料は最初の要素と月額を比較します。最大の数字が隠れているのは2番目で、それがパンフレットに載ることはありません。
金利を予想せずに資金調達コストを正確に出す方法。
金利予測は不要ですし、それを前提に判断すべきでもありません。実際の借入額と実際の返済期間で、銀行に返済予定表を出してもらってください。あとは正確な計算です。総利息は、月々の返済額に返済回数を掛け、借入元本を差し引いた額です。そこに鑑定料、事務手数料、ローンの印紙税、そして返済期間中に毎年支払う団体信用生命保険料と火災保険料を加えます。最後の項目は驚かれることが多い部分です。年間では小さな金額に見えますが、20年間で静かに積み上がります。これは予測ではなく、契約条件書と電卓だけの作業です。環境についてはBSPの金利動向が住宅ローンに与える影響をご覧ください。ただし計算に使うのは、ご自身の銀行が書面で提示した金利です。
ご自身で埋められる比較表。
印刷して、手元の書類から各欄を埋め、列ごとに合計してください。合計が最も小さい列が勝ちであり、それは予想と一致しないことがよくあります。
| 費用項目 | 一括現金 | 分割現金 | 銀行またはPag-IBIG |
|---|---|---|---|
| 正味契約価格 | 定価から一括割引 | 定価から分割割引 | 通常は定価に近い |
| 開発業者の利息 | なし | なし | 自己資金部分にはなし |
| 貸し手の利息 | なし | なし | (月額 x 回数)引く元本 |
| 貸し手の諸費用 | なし | なし | 鑑定、事務、印紙税、毎年の保険 |
| 引渡しまでの拠出額 | 100パーセント | 100パーセント | 自己資金部分のみ |
| 機会費用 | 最大 | 中間 | 最小 |
| 鑑定不足のリスク | なし | なし | あり(下記参照) |
| 引渡し時の権利証 | 抵当なし | 抵当なし | 完済まで抵当付き |
機会費用を正直に計算する。
ローンを選ぶ根拠は、手元資金が他で高い利回りを生むという前提です。それを願望ではなく実際の数字で検証してください。現金方式で早期に手放す追加額に、税引き後の実際の運用利回りを掛け、保有できたはずの年数を掛けます。使うのは実際に達成している利回りです。定期預金、個人向け国債、事業の運転資金の回転などです。実現したことのない期待利回りを使ってはいけません。フィリピンの買い手が正直に計算すると、想定より小さい数字が出ることが多く、だからこそ業界が認める以上の頻度で一括現金が有利になります。ただし、稼働中の事業や、そうでなければ予約できない2件目の物件など、資本に本当に生産的な用途がある場合は結論が逆に振れます。
誰も比較に入れないリスク。
フィリピンの金融機関は契約価格に対して融資しません。自行の鑑定額と売買価格の低い方に、掛け目を適用します。掛け目は銀行と物件種別により、おおむね60から80パーセントの範囲です。これをプレセリングの時間軸に重ねてください。価格は2026年に固定され、鑑定は2029年の引渡し時に、2029年の取引事例に基づいて行われます。鑑定額が契約価格を下回れば融資額は縮み、その差額は、すでに払った自己資金に加えて、期限付きで用意しなければならない現金になります。周到な計画が土壇場の混乱に変わる最も一般的な経路がこれです。だからこそ現金方式には、どの割引表にも現れない優位があります。一括現金と分割現金には、鑑定リスクが一切存在しません。
そのリスクを減らす4つの方法。
第一に、引渡し直前ではなく、かなり前の段階で銀行に概算鑑定を依頼すること。2か月の問題ではなく2年の問題にできます。第二に、残債の目に見える一定割合に相当する引渡し用の予備資金を確保し、それには手をつけないこと。第三に、比較可能な中古取引事例が厚い物件や街区を選ぶこと。近隣の取引事例が豊富な鑑定人ほど、契約価格に近い数字を出します。第四に、Pag-IBIGを第一トランシェとし、その上に銀行を重ねる構成にすること。詳細はPag-IBIGと銀行の併用ガイドにあります。
それぞれの方式が勝つ条件。
一括現金が勝つのは、同じ期間に資金が生んだであろう利益より割引額が大きいとき、資本に他の安価な用途がないとき、そして金利リスクと鑑定リスクを一度に消したいときです。長期契約を終えて帰国するOFWや、資産売却などで手元資金ができた方には、たいていこれが正解です。分割現金が勝つのは、月々の収入が安定して強いとき、建設期間が長く無利息の分割が効くとき、そして15年の抵当権を権利証に載せたくないときです。共働きの専門職には、選ばれる頻度以上に正解であることが多い方式です。ローンが勝つのは、資本が他で本当に高い利回りを生むとき、次の購入のために流動性を残したいとき、または賃貸に出して引渡し時から家賃が返済の相当部分を賄えるときです。
Pag-IBIGの1,000万ペソ上限が変えたこと。
2026年5月、Pag-IBIGは借入人一人あたりの住宅ローン上限を600万ペソから1,000万ペソに引き上げ、返済期間は最長30年としました。この変更だけで、アルヴェオの価格帯の広い範囲で方式選択の前提が変わりました。ポブラシオンのマージェント・レジデンスは1,040万ペソから、アステラ・アット・サーキット・マカティは1,100万ペソからの公表価格です。旧600万ペソ上限では、いずれもエントリー住戸で銀行の金利と掛け目に従うほかありませんでした。1,000万ペソなら、エントリー住戸は上限に十分近く、Pag-IBIGを第一トランシェとし、その上に小さめの銀行トランシェを重ねる構成が例外ではなく実用的な選択肢になります。変わらない点にも注意してください。24か月以上の積立実績がある現役会員であることが必要で、年齢制限(申込時65歳以下、満期時70歳以下)が実際に組める期間を静かに制限します。これは多くの買い手の想定以上に月額に影響します。
予約する前に、後ではなく。
予約金を払う前に4つの書類を請求してください。対象住戸の最新価格表(3方式を並べた計算付き)、方式ごとの予約から引渡しまでの支払い予定表、少なくとも2行からの概算返済予定表、そして引渡し時諸費用の見積りです。上の表に入れて列を合計してください。半日で終わる作業ですが、たいてい6桁の価値があります。
特定の住戸で3方式の計算をご希望でしたらご連絡ください。自分の家族に使うのと同じ数字をお送りします。ローンを組むべきではない、という結論になる場合も含めて。
購入者ケーススタディ
実際の購入者から
購入者の要望により名前と識別情報を変更しています。
計算した結果、借入をやめた船員の例
典型的な事例です。交替勤務の契約で働く船舶機関士が、建設期間が残り約4年のマカティのプレセリング物件を検討していました。同僚がそうしているという理由で、当初の直感は銀行ローンでした。しかし比較表の結論は違いました。貯蓄は定期預金にあり、税引き後の利回りは控えめで、分割現金の割引と15年ローンで回避できる利息の合計が、それを十分に上回ったのです。彼は分割現金を選び、月額を最高時の給与ではなく契約給与に合わせて設定し、抵当のない権利証で引渡しを受けました。鑑定の話は一度も出ませんでした。決め手は割引ではありません。建設期間が長かったため、最良の月ではなく平常月の収入で無利息の分割を負担できたことです。
2住戸で答えを使い分けた夫婦
もう一つのよくある型です。共働きのマニラ在住夫婦が2住戸を購入しました。1つは居住用、もう1つは保有用の小さめの住戸です。当初は両方に同じ支払い方法を想定していました。しかし別々に比較表を作ると、答えは2つに分かれました。大きい方はローンにしました。レバレッジによって2件目を予約できるだけの流動性が残り、年齢制限の範囲内で月額を無理のない水準に保てる期間が組めたからです。小さい方は満期を迎えた運用資金による一括現金にしました。割引がその運用の利回りを上回り、2029年の予定表から鑑定を1件減らせたからです。一度の購入で、正解は2つでした。
よくある質問
他の方もよくお尋ねです
- 分割現金は社内ローンと同じですか。
- 違います。混同すると高くつきます。分割現金は契約価格を建設期間に分割するもので、開発業者は利息を課さず、割引が付きます。社内ローンは開発業者からの借入で、引渡し後も返済が続き、利息が発生します。金利は通常、銀行より高めです。分割現金と表示された計算書で引渡し後も残高が続いているなら、それは分割現金ではありません。どちらの見積りかを確認してください。
- 予約した後で支払い方法を変更できますか。
- 多くの場合、一定の時点までは可能です。ただし各方式の割引は引渡し時ではなく申込時に価格付けされます。後からローンから現金方式に移っても、現金割引が遡って適用されないのが通常です。逆に現金方式からローンに移ると、既払い額を自己資金として再計算する必要が生じることがあります。予約申込書に署名する前に決めてください。変更の可能性が本当にあるなら、変更条件も同時に書面で取得してください。
- 銀行の鑑定額が契約価格を下回った場合はどうなりますか。
- 融資額は、鑑定額と売買価格の低い方に銀行の掛け目を乗じて算出されるため、鑑定が低ければ実行額はそのまま縮みます。差額は、すでに支払った自己資金に加えて、引渡し前に用意すべき現金になります。対応策は、他行で鑑定を取り直す、銀行ローンの下にPag-IBIGのトランシェを入れる、予備資金で埋める、のいずれかです。最も安上がりなのは予防です。実行の1年以上前に概算鑑定を依頼してください。
- Pag-IBIGの1,000万ペソ上限で、選ぶべき方式は変わりますか。
- およそ600万から1,000万ペソの住戸については、はい、大きく変わります。この価格帯は従来は銀行での実行が必要でしたが、現在はPag-IBIG単独で賄えることが多く、比較表の利息欄が結論を覆すほど変わります。1,000万ペソを超える場合は、答えというより構成が変わります。Pag-IBIGが第一トランシェを担い、銀行は残額だけを賄えばよくなるからです。まず資格をご確認ください。24か月以上の積立と年齢制限の両方が適用されます。
- 支払い方法によって移転税や引渡し諸費用は変わりますか。
- 移転に伴う公租公課は、支払い方法ではなく物件とその価額に基づくため、方式によらずおおむね同じです。実際に異なるのは貸し手側の費用です。鑑定料、事務手数料、ローン自体にかかる印紙税、そして抵当がある場合にのみ発生する年払いの保険料です。各計算書と併せて引渡し諸費用の明細見積りを請求してください。金額は無視できない規模で、買い手が最も予算計上を忘れがちな費用です。
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